この記事の結論
全国のシーシャ店を市区町村・商圏(半径1km)まで分解すると、「都道府県の人口あたり店舗数」では見えない本当の激戦区と穴場が出ます。
- 集計対象は全国 約2,247店(2026年6月時点・公開情報ベース、297市区町村)。
- 店舗の約45%(1,010店)が「1km四方に10店以上」のレッドオーシャンに密集。日本最密は大阪ミナミ(中央区)=1km²に84店、次いで渋谷56・六本木西麻布(港区)54。
- 居住人口あたりで最も飽和は大阪市中央区=1店あたり1,129人。名古屋中区1,337・千代田1,488・渋谷1,773と続く。
- 本当の穴場は「大都市なのに供給が極端に薄い市」。八王子56万人で1店、越谷・所沢で各1店、倉敷47万人で2店、川口60万人でも8店。出店を検討するなら県単位の「穴場」ではなく、こうした個別都市の供給状況で見るべき。
なぜ「都道府県あたり人口」では甘いのか
たとえば埼玉県は人口734万人に対し約30店で、県単位では「1店あたり24万人=穴場」に見えます。しかし中身を開けると店舗はさいたま市大宮区に集中し、川口市(60万人)でも8店、越谷市・所沢市(各34万人)はわずか1店ずつ。「県の穴場」ではなく「特定エリアが埋まり、それ以外は手薄」というのが実態です。シーシャは商圏が狭い(駅前・繁華街に来店が集中する)業態なので、市区町村、できれば半径1kmの商圏で見ないと出店の判断を誤ります。本記事は2つの軸で分解します。
① 商圏ホットスポット:最も密集する1km四方
行政区の境界を無視し、全店舗の座標を1km四方のマスに区切って密度を数えました。これが「半径1kmに競合が何店ひしめくか」という本当の商圏飽和度です。
全2,247店のうち約45%(1,010店)が「1km四方に10店以上」のゾーンに集まります。価格と立地だけで戦うと消耗する密度です。来店客にとっては選択肢が豊富で店をはしごしやすいエリア、出店側にとってはメニュー・体験・接客での明確な差別化が前提になるエリアです。
② 市区町村×居住人口:飽和ランキング
市区町村単位で「1店あたり居住人口」を出しました。数字が小さいほど飽和。ただし下表上位の繁華街区(中央区・中区・渋谷・港区など)は居住者は少なくても昼夜の来街者が桁違いで、居住人口あたりの数字は飽和を過大に見せます。これらは上の①(1km²密度)を主指標に読んでください。
| 市区町村(商圏) | 店舗数 | 居住人口 | 1店あたり居住人口 |
|---|---|---|---|
| 大阪府大阪市中央区 ミナミ・心斎橋 |
107店 | 105,000人 | 約981人 |
| 愛知県名古屋市中区 栄・錦 |
63店 | 99,000人 | 約1,571人 |
| 東京都千代田区 神田・秋葉原 |
38店 | 67,000人 | 約1,763人 |
| 東京都渋谷区 渋谷・円山町 |
114店 | 243,000人 | 約2,131人 |
| 京都府京都市東山区 | 16店 | 37,000人 | 約2,312人 |
| 東京都港区 六本木・西麻布 |
102店 | 263,000人 | 約2,578人 |
| 広島県広島市中区 流川・薬研堀 |
46店 | 140,000人 | 約3,043人 |
| 兵庫県神戸市中央区 三宮 |
45店 | 140,000人 | 約3,111人 |
| 大阪府大阪市北区 梅田・北新地 |
46店 | 145,000人 | 約3,152人 |
| 神奈川県横浜市中区 関内・伊勢佐木 |
38店 | 150,000人 | 約3,947人 |
| 京都府京都市中京区 木屋町・河原町 |
27店 | 110,000人 | 約4,074人 |
| 北海道札幌市中央区 すすきの |
61店 | 250,000人 | 約4,098人 |
③ 本当の穴場:大都市なのに供給が薄い市
人口20万超の都市規模を持ちながら店舗が極端に少ない市(いずれも実地検索で確認した営業中の店舗数)。居住人口がそのまま見込み客になる住宅都市型の穴場で、出店を検討する店舗経営者にとって有力な候補エリアです。
| 都市 | 人口 | 店舗数 | 1店あたり人口 |
|---|---|---|---|
| 東京都八王子市 | 560,000人 | 空白 | — |
| 埼玉県所沢市 | 342,000人 | 1店 | 約342,000人 |
| 埼玉県越谷市 | 345,000人 | 2店 | 約172,500人 |
| 福島県いわき市 | 320,000人 | 2店 | 約160,000人 |
| 兵庫県尼崎市 | 460,000人 | 3店 | 約153,333人 |
| 神奈川県横須賀市 | 385,000人 | 3店 | 約128,333人 |
| 兵庫県西宮市 | 485,000人 | 4店 | 約121,250人 |
| 千葉県柏市 | 433,000人 | 4店 | 約108,250人 |
店舗数の多い市区町村 トップ30
シーシャ店が実際にどこにあるか。繁華街を抱える区が上位を占めます。
| 順 | 市区町村(商圏) | 店舗数 | 1店あたり居住人口 |
|---|---|---|---|
| 1 | 東京都渋谷区(渋谷・円山町) | 114 | 約2,131人 |
| 2 | 大阪府大阪市中央区(ミナミ・心斎橋) | 107 | 約981人 |
| 3 | 東京都港区(六本木・西麻布) | 102 | 約2,578人 |
| 4 | 愛知県名古屋市中区(栄・錦) | 63 | 約1,571人 |
| 5 | 北海道札幌市中央区(すすきの) | 61 | 約4,098人 |
| 6 | 東京都新宿区(歌舞伎町) | 61 | 約5,721人 |
| 7 | 福岡県福岡市中央区(天神・大名) | 49 | 約4,285人 |
| 8 | 大阪府大阪市北区(梅田・北新地) | 46 | 約3,152人 |
| 9 | 広島県広島市中区(流川・薬研堀) | 46 | 約3,043人 |
| 10 | 兵庫県神戸市中央区(三宮) | 45 | 約3,111人 |
| 11 | 東京都豊島区 | 38 | 約7,921人 |
| 12 | 神奈川県横浜市中区(関内・伊勢佐木) | 38 | 約3,947人 |
| 13 | 東京都千代田区(神田・秋葉原) | 38 | 約1,763人 |
| 14 | 沖縄県那覇市 | 33 | 約9,606人 |
| 15 | 東京都世田谷区 | 32 | 約29,375人 |
| 16 | 宮城県仙台市青葉区(国分町) | 30 | 約10,333人 |
| 17 | 東京都台東区(上野・御徒町) | 30 | 約7,166人 |
| 18 | 東京都新宿区 | 28 | — |
| 19 | 京都府京都市中京区(木屋町・河原町) | 27 | 約4,074人 |
| 20 | 東京都中央区 | 24 | 約7,291人 |
| 21 | 東京都目黒区 | 22 | 約13,090人 |
| 22 | 福岡県北九州市小倉北区 | 19 | 約9,473人 |
| 23 | 福岡県福岡市博多区 | 19 | 約13,157人 |
| 24 | 沖縄県沖縄市 | 18 | — |
| 25 | 神奈川県川崎市川崎区 | 17 | 約13,529人 |
| 26 | 東京都杉並区 | 16 | 約36,937人 |
| 27 | 京都府京都市東山区 | 16 | 約2,312人 |
| 28 | 熊本県熊本市中央区 | 16 | 約11,875人 |
| 29 | 東京都品川区 | 15 | 約28,133人 |
| 30 | 石川県金沢市 | 15 | 約30,666人 |
※店舗数は2026年6月時点の公開情報集約値(営業中2,247店)。別途、全店の営業状況を再確認し閉店87店を集計から除外済み。シーシャ専門店ベースで、バー・ラウンジ等でシーシャを提供する店舗の一部は含みません(八王子など夜の街は専門店基準だと少なく出ます)。居住人口は2024年住民基本台帳ベースの概数。繁華街区は昼間人口・来街者が居住人口を大きく上回るため、飽和度は①1km²密度を優先指標としてください。新規開業の反映には時差があります。
このデータの使い方
- お店を探す方へ:全国シーシャ店マップで最寄り・エリア・現在地から店を検索できます。密集エリア(①)は選択肢が多く、はしごもしやすい。
- 出店を検討する経営者へ:穴場都市(③)が狙い目(八王子・倉敷・越谷・所沢・川口・尼崎など)。住宅都市で商圏を独占しやすい。
- 激戦エリア(①)で開くなら差別化が前提。価格競争ではなく、メニュー・体験・接客で選ばれる必要がある。半径1kmに数十店の密度では、在庫を切らさない運営も離脱防止に直結する。