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電子タバコ(VAPE)の歴史【後編】
ここでは2010年代後半から現在までの電子タバコの発展と規制の動向について解説します。
霊夢: いよいよ電子タバコの歴史も現代に近づいてきたね。2010年代後半っていうと、電子タバコもかなり一般的になった頃かな?
魔理沙: そうだな。この頃には世界中で何千万もの人がVAPEを利用するようになっていた。推計では2018年時点で世界に約5,800万人のベイパー(電子タバコ使用者)がいたとも言われる。市場規模も年々拡大し、2010年代後半には巨大産業になったんだ。
2015年以降の技術革新とJUULの登場
霊夢: 利用者が増えれば市場も大きくなるわけね。技術的にはこの頃どんな進歩があったの?
魔理沙: 2015年前後に電子タバコ技術で大きなトレンドとなったのが、“ニコチン塩(ニコチンソルト)”の登場だ。従来のニコチンよりも体に吸収されやすく、喉への刺激がマイルドな形態のニコチンを使うことで、より強い満足感を得られるようにしたんだ。これを採用した代表例がアメリカのJUUL(ジュール)だな。
電子タバコの規制強化
霊夢: JUULって聞いたことあるわ。小型のUSBメモリみたいなやつでしょう?
魔理沙: そう、それだ。JUUL社は2015年にポッド型の小型VAPEデバイスを発売した。スタイリッシュな見た目で煙も少なく、ニコチン塩リキッドで強い吸い応えがある。それまでの電子タバコとは一線を画す使い勝手の良さで爆発的ヒットとなったんだ。
各国での規制動向
霊夢: でも若年層に流行しすぎて社会問題になったって聞いたわ。
魔理沙: その通りだ。特にアメリカでは未成年の使用が急増し、“ユース・エピデミック(若者の流行病)”とまで言われるようになった。2019年にはトランプ大統領(当時)が「フレーバー付き電子タバコはこのままでは終わりだ」と発言し、2020年にはフレーバー系カートリッジの販売が禁止された。
電子タバコの健康影響と研究
霊夢: 結局、電子タバコって安全なの?
魔理沙: 研究は進んでいるが、結論としては「紙巻きタバコよりは害が少ないが、完全に安全とは言えない」だな。イギリスの公衆衛生当局(PHE)は2015年に「電子タバコは従来のタバコより95%害が少ない」と推定したが、WHOやCDCは慎重な姿勢を取り続けている。
電子タバコの未来
霊夢: 技術面では今後どうなっていくのかしら?
魔理沙: 未来の展望としては、より安全なニコチンデリバリー技術が進化するだろうな。加熱温度を管理して有害物質を抑えるスマートVAPEや、ニコチン濃度を段階的に下げるデバイスが開発されるかもしれない。さらに医療用VAPEの登場も考えられるぜ。
まとめ
霊夢: 喫煙文化そのものが大きく変わる過渡期って感じね。
魔理沙: そうだな。電子タバコは発明から試行錯誤、普及と混乱、規制の時代を経て進化してきた。今後10年でまたどんな変化が起こるのか注目だぜ。
長時間のご視聴ありがとうございました!