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電子タバコ(VAPE)の歴史【前編】
今回は、電子タバコ(VAPE)の歴史について、前編・中編・後編の3本立てで解説していきます。
霊夢: こんにちは。今回は電子タバコ(VAPE)の歴史について、前編・中編・後編の3本立てで解説していくよ!
魔理沙: よろしく頼むぜ。まずこの前編では、1960年代から1990年代までの電子タバコの発明と試行錯誤の歴史について見ていくぜ。
霊夢: 電子タバコって最近のものかと思ってたけど、そんな昔から構想があったのね?
魔理沙: 実は煙の出ないタバコのアイデア自体はかなり昔からあったんだ。たとえば1927年にはアメリカ人ジョセフ・ロビンソンが薬剤の蒸気を吸入する電気デバイスの特許を出願している。でも、本格的に『電子的なタバコ』の形が考案されたのは1960年代だな。
1960年代:電子タバコの原型登場
霊夢: 1960年代にもう電子タバコの原型があったの?
魔理沙: そうだぜ。1963年にアメリカ人のハーバート・A・ギルバートが『燃やさない無煙タバコ』の特許を出願しているんだ。これはタバコの葉を使わずに、加熱した風味付きの液体から発生する蒸気を吸う装置だった。
霊夢: へぇー、1963年にそんな発明が!その電子タバコは世の中に広まったの?
魔理沙: 残念ながらギルバートの発明は商業化されず、当時は流行らなかったんだ。その理由はいくつかあるぜ。まず1960年代当時、世間はまだ紙巻きタバコを愛していて喫煙の健康被害も深刻には認識されていなかった。それにギルバートの装置はニコチンを含むものではなかったから、喫煙者には物足りなかったというわけさ。
1980年代:VAPEの原型が登場
霊夢: 1970~80年代にも電子タバコに繋がる試みがあったの?
魔理沙: そうだぜ。1979年頃、電子工学の先駆者フィル・レイが医師ノルマン・ジェコブソン博士と協力して、煙の出ないタバコを開発しようとしたんだ。その結果、1980年代初頭に『フェイバー(Favor)』という製品が市場に登場した。
霊夢: ニコチンが摂れるなら受け入れられそうだけど…?
魔理沙: ところがうまくいかなかったんだ。まずFDA(食品医薬品局)がフェイバーを『新規の医薬品』として規制対象にした。さらにニコチン液が日持ちせず、商品としての寿命が短すぎたんだ。その結果、フェイバーは商業的に失敗し、事業は終了した。
1990年代:加熱式タバコの登場
霊夢: 1990年代にはどんな動きがあったの?
魔理沙: 1988年、米国の大手RJレイノルズ社が『プルミア(Premier)』という世界初の加熱式タバコを市場に投入した。これはタバコ葉を炭で加熱してニコチンエアロゾルを発生させる製品だった。しかし吸い方が難しく、味も不評でわずか数ヶ月で市場から消えたんだ。
次回予告
霊夢: なるほど、1990年代までは大衆に受け入れられた電子タバコはなかったのね。だけど技術の進歩と健康意識の向上で、ニーズは高まっていたはず…?
魔理沙: その通りだぜ。そして2000年代に入ると、大きなブレイクスルーが起こる。それは次の中編で詳しく解説するぜ。
次回、「電子タバコの歴史【中編】」をお楽しみに!